様々なワークの形状や刻印方法に応じた
刻印機の特集記事をご紹介します。
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最近の刻印対象ワークは、コストや重量の問題で小型・薄肉化・樹脂化等が進んでおります。
今回は、薄肉状のワーク・樹脂製品へのマーキングで、変形させないマーキングについて説明します。
薄肉ワークの代表的な物に各種コネクタがあります。
材質は真鍮で変形が許されないワークです。
どのようなマーキング方法があるのかを考えてみましょう。
従来より多数利用されている刻印だが、パイプのような筒状で薄肉形状となっているワークにはどのように刻印したらよいのでしょうか?
刻印面がフラットで、プレス機に刻印機を取り付け刻印するようなわけにはいきません。
パイプ状のワークの場合、ローリング式という方式を採用します。
線当たりで、ワークを転がしながら刻印していく方法です。
この方法は、自転車のフレームやオートバイのフレームにも使用されています。
変形防止の為、色々な工夫が必要なです。その為、専門メーカに相談するのがベストだと思います。
一例ですが、下記写真のように、コネクタをパーツフィダーに投入し、後は無人で刻印作業を行う自動機があります。
この機械は、ワークに芯棒を入れて刻印をしています。
刻印の反力を受けるのでただ芯金を入れるだけではありません。
メーカ独自のアイディアが盛り込まれています。
旋盤加工中に刻印をするツールがあります。
薄肉加工前に刻印を外周にしてしまえば、変形せずに刻印する事が可能です。
新たに専用の刻印機を製作するよりも安価に対応でき、また、機械加工中に刻印出来るので、刻印の作業効率化にもつながり、加工機の有効活用が可能です。
最近普及し始めたエアーペンと呼ばれる超鋼のペンを振幅させ文字を書いていく刻印機ですが、点当たりの為、ワークへの負荷が少なく変形させることなくマーキングできます。
鉢巻方向の刻印も、インデックス(回転機構)と動機させ、自動でマーキングする事が可能です。
刻印と違って、汎用性はありますが、品質的には劣ります。
文字が読めればいい!!程度の刻印ならエアペンタイプも検討の余地があります。
非接触マーキングと言えば、レーザマーカとなります。
非接触ですのでワークを変形させることは一切ありません。
ただし刻印深さを要求される場合は不向きです。
樹脂部品に関しては、材質によりレーザでは対応不可の場合があります。
有毒ガス等発生する可能性がありますので、必ず専門家に相談してください。
変形させないマーキングと言っても、対象ワーク・ライン構成・イニシャルコスト・ランニングコスト等によりさまざまなマーキング装置が考えられます。
また、刻印した文字の品質にも影響してきますので、変形させたくないワークへの刻印は、専門家に相談するべきでしょう。